一般内科
風邪や発熱、インフルエンザをはじめとする体調不良の診療を行います。また、生活習慣病の治療も行っておりますので、健康診断などで「再検査」と言われた方や「異常」を指摘された方もご相談ください。
各種予防接種も行っております。
まずはお気軽にご相談ください。
一般内科

発熱

発熱は、様々なことで起こりますが、原因を検索することが重要です。ウイルスの侵入に伴う喉のはれ、咳、痰を伴う風邪などのウイルス感染症のことが多いです。また、気道や肺の中に細菌が入り、炎症を起こすと全身倦怠感や咳、喀痰が増加します。気管支炎や肺炎などの細菌感染症もあります。また、尿中に細菌が増え、細菌に伴う頻尿、排尿痛、発熱をきたす膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症の事もあります。ウイルス感染は、咳や発熱を抑える対症療法が治療となります。肺炎や尿路感染症などの細菌感染症は、抗生物質にて治療を行います。その他では、発熱の原因が膠原病や悪性腫瘍の事もあります。膠原病は、症状が発熱や関節の痛み、体のこわばり、皮疹、体のむくみ、手先の色の異常(レイノー現象)、筋肉の痛み、口内炎、皮膚の硬化、蛋白尿や血尿などの多岐にわたることもあります。膠原病は、免疫のアンバランスが生じることにより起こるので、診断をしっかりつけることが重要です。悪性腫瘍は、早期発見、早期治療が非常に大切です。健康診断や人間ドック、PET健診を積極的に受診していただく事で早期発見に繋がりやすくなります。糖尿病を罹患していると、細菌と戦う白血球の作用が弱くなり、細菌感染症を起こしやすいです。HbA1cが高いほど、感染しやすくなります。HbA1cは7%未満であると、糖尿病の合併症も進まず、感染症も起こりにくいです。甲状腺疾患では、バセドウ病(自己免疫)や亜急性甲状腺炎(ウイルス性)、化膿性甲状腺炎(細菌性)、悪性リンパ腫(血液の腫瘍)、甲状腺未分化癌(甲状腺腫瘍)などで発熱することがあります。

かぜ症候群

鼻から喉にかけて、上気道の粘膜にウイルスや細菌が感染し、起こる急性炎症の総称です。寒くて、乾燥する季節は特に起こりやすいです。秋や冬に多いのはライノウイルスで、冬に多いのはコロナウイルス(新型コロナウイルスと異なります)です。感染すると鼻やのどの違和感から始まり、咳やくしゃみ、微熱の原因となります。水分と栄養摂取で1週間程度で軽快することが多いですが、気管支炎や肺炎に移行することもあります。治療は、かぜのひき始めの場合は、漢方薬や症状に合わせたお薬になりますが、気管支炎や肺炎に移行した場合は、抗生物質が必要になります。
かぜ症候群

インフルエンザ

毎年冬になると、季節性インフルエンザが流行します。今年は、新型コロナウイルスの感染流行のため、マスク、うがい、手洗い、消毒を徹底しているため流行しておりません。インフルエンザに感染すると、1~3日の潜伏期間の後に急激な発熱(38℃以上)が生じ、悪寒や倦怠感が生じます。インフルエンザウイルスA型の場合はのどの痛みや鼻汁、咳などの症状と関節痛を生じます。インフルエンザB型は下痢や嘔吐などの消化器症状が現れることがあります。インフルエンザA型は11月~2月まで流行することが多く、インフルエンザB型は2月~3月の少し暖かくなってから流行することが多いです。インフルエンザウイルスは感染力が強く、軽快した後も周囲に感染させる可能性があるため、症状が治まった後2日間は外出を控えて静養することをすすめています。治療はインフルエンザウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザ薬ですが、症状が出て48時間以内に使用すると発熱などの症状が早く改善すると言われてます。抗インフルエンザ薬の種類は内服、吸入、点滴があります。内服の効果が確実ですが、成人では1日2回(小児では1日1回)の内服が5日間必要になります。吸入は成人では1回2吸入(10歳未満では1回1吸入)、1日1回で済みますが、うまく吸えない方は、内服をおすすめします。また、飲み込みや吸入がうまくいかない方は、点滴治療になります。

頭の痛み

頭の痛みは、大きく分けると、肩こりからくる筋緊張性頭痛、脳の血管が拡張して頭の中の圧力が高くなる片頭痛、3~4か月持続し、原因がよくわからない群発頭痛があります。これらを1次性頭痛と言います。脳の異常や眼の異常、高血圧からくる頭痛は2次性頭痛と言います。特に頭が痛いからと原因の検索をせずに、痛み止めを飲まれていることが多いですが、あまり治まらないことも多いです。筋緊張性頭痛は、肩こりからくるものが多く、肩の血液の流れが悪いことが多いです。体操をしたり、ストレッチをしたりして血流を増やし、肩にシップを貼付したり、葛根湯なども効果があると言われてます。また、片頭痛は目の前がちかちかしたり、いつもより音をうるさく感じたり前兆があることがあります。前兆後に、ズキンズキンとした拍動性の頭痛が来ます。こちらは、前兆があるときに、薬を内服すると予防できることもあります。
頭の痛み

のどの奥の痛み

口を大きく開けていただき、のどの奥を見て、直接確認します。のどの赤みや、扁桃腺のはれ、膿が溜まっていないか、のどに浅い潰瘍ができていないかどうかなどです。ウイルス性の感染で起こるものが多く、のどの痛みに加えて倦怠感や咳なども伴います。その他に、細菌性の咽頭炎もあります。喉の赤みが強い場合は、A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌感染症)や扁桃腺がはれて、高熱が持続する場合は、急性扁桃腺炎の可能性もあります。ウイルス性と細菌性とで、鑑別が難しい事があります。採血を行い、細菌と戦う白血球の上昇を確認することにより鑑別が可能な事があります。ウイルス性の場合は、白血球の上昇は正常~軽度のことが多く、CRP(C反応性蛋白)のみ上昇することが多いです。A群β溶血性連鎖球菌感染症の場合は、罹患後に腎臓の病気を発症したりすることがありますので、感染症が治癒後も注意が必要です。その他に、咽頭痛と思っていたら、首の前が実は痛かったという、甲状腺の病気もあります。甲状腺がウイルス感染する亜急性甲状腺炎、細菌に感染する化膿性甲状腺炎(子供に多い)、自己免疫の異常で起こる橋本病の急性増悪があります。こちらも採血と甲状腺エコーで診断は可能です。
のどの奥の痛み

咳の原因の多くは、ウイルス性の感冒による気道の炎症の事が多いです。くしゃみや発熱、鼻水、鼻づまり、咽頭痛なども伴います。咳が長引く場合は、細菌性肺炎やマイコプラズマ肺炎などの感染症、咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔炎に伴う副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症などが鑑別にあがります。細菌性肺炎は、気道に細菌が侵入することにより起こります。抗生物質で治療が可能です。マイコプラズマ肺炎は、発熱、空咳(乾性咳嗽)を伴うことが多く、異形肺炎ともいわれます。マイコプラズマは、細菌に分類されますが、細胞壁がないために、抗生剤(ペニシリン系やセフェム系)の効果がありません。マクロライド系の抗生物質が有効です。咳喘息は、喘鳴(喘息の時に聞こえる笛が鳴るような音)を伴わない咳が2か月以上続きます。白血球の一種である好酸球に伴う気道の炎症により起こりますが、好酸球はアレルギーの制御を行います。気管支を拡張する吸入が有効です。アトピー咳嗽は、こちらも喘鳴を伴わない咳が3週間以上持続しますが、アトピーの素因のあるアレルギーの疾患を持つ方に多いです。気管支を拡張する薬が効かないことが多いので、アレルギーを抑える薬を使用します。副鼻腔炎気管支症候群は、寝ている間に副鼻腔にたまっている膿が、気管支に入ることにより起こります。副鼻腔炎を治療しないと改善しないことが多いです。また、胃酸の上昇に伴う胃食道逆流症でも咳が出ることがあります。こちらも寝ている間に胃酸が逆流することが多いので、起床後より咳が出ます。胃酸の分泌を抑える薬が治療となります。
咳

くびのはれ

首の前下方に甲状腺という身体の代謝の調節を行う臓器があります。甲状腺の病気は、女性に多い病気と良く表現されます。甲状腺の機能の異常や甲状腺の腫瘍ではれることがあります。全体的な腫大は、甲状腺機能異常、一部がはれる場合は、甲状腺の腫瘍の事が多いです。甲状腺機能異常には、機能が亢進する病気と低下する病気があります。甲状腺機能が亢進すると、脈が速くなり、動悸があり、眼の突出、急な体重減少、暑がりで汗を異常にかく、お腹が緩くなりやすい、怒りやすい、疲れやすい、眠れない、神経過敏(怒りやすくなる)、無月経などの症状が出ます。甲状腺機能が低下すると、脈が遅くなり、体重が増え、寒がりになり、抜け毛が増え、低体温になり、全身がむくみ、便秘やぼーっとしやすくなり、皮膚がカサカサ乾燥する、乳汁分泌、過多月経、難聴などの症状が出ます。採血や超音波検査で診断可能です。頻度は低いですが、発熱や痛みを伴ってはれる場合は、ウイルス感染に伴う亜急性甲状腺炎、細菌感染に伴う化膿性甲状腺炎があります。問診、甲状腺超音波検査や採血でおおよそ鑑別は可能です。

息切れ

息切れとは、呼吸をするのに努力を必要とし、不快感を感じることと定義されます。呼吸器(肺)、循環器(心臓)、血液の異常(貧血など)、内分泌、代謝の異常(ホルモン、甲状腺、肥満)によって起こります。緊急を要する疾患としては、呼吸器では肺の中の空気のたまった袋(ブラ)がやぶれ、突然の呼吸困難を伴う自然気胸や、同じ姿勢をずっととった後に急に立ったときに起こる肺血栓塞栓症があります。新型コロナウイルス感染症も肺の中に炎症が起き、息切れの原因となります。循環器では、心臓に血液を送る血管が詰まりかける狭心症や詰まる急性心筋梗塞があります。高血圧や2型糖尿病などの基礎疾患があるときに、心臓の働きや機能に異常が生じて、ポンプの役割を果たせなくなる急性心不全も原因の一つになります。入院が必要になることが多いです。他に呼吸器では、上気道炎や細菌性肺炎、急性気管支炎は発熱を伴う息切れが原因となります。気管支がアレルギー性や気圧の変化、寒冷刺激で細くなる気管支喘息が起こります。リウマチなどの膠原病の方に多い間質性肺炎、たばこを吸う人に多い慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺の腫瘍もあります。パニックや不安、不眠などを契機に起こる過換気症候群もあります。循環器では、脈の異常を伴う不整脈や脈が速くなる頻脈、高血圧や生活習慣により起こる慢性心不全、血管年齢が上がり動脈硬化により起こる心臓弁膜症などがあります。血液の異常では、鉄分が不足することにより起こる鉄欠乏性貧血や貧血が進行する骨髄異形成症候群もあります。内分泌代謝では、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)があります。体の代謝が亢進しすぎることにより、急に体重減少と速い脈拍、手の振るえを伴います。筋力が低下し、階段を上ったときや運動の息切れを起こします。肥満は、お腹の脂肪により肺が圧迫され、肺活量が低下し、酸素摂取量が増加します。首の脂肪が寝ているときに気道を狭くする睡眠無呼吸の原因にもなります。
息切れ

眼の異常

糖尿病になると、血糖値が上昇し、血液の流れが悪くなります。糖尿病網膜症は、失明する疾患の第2位ですが、血流が悪くなり、眼の中の網膜というところの血管にダメージが出やすいです。糖尿病に罹患後すぐに網膜症は出ないことが多いですが、数年たつと出やすいと言われています。網膜を栄養する血管に、最初は小さい毛細血管瘤が出現します。その後、瘤が破裂して出血(眼底出血)して、網膜に血液が足りない状態で栄養や血流不足になります。網膜の機能が落ちてきます。機能が落ちてくると、視力が低下しやすくなります。機能の落ちた網膜を、眼科にてレーザー光凝固療法で治療したりします。出血の量が多くなったときは、手術療法や注射で治療を行います。糖尿病網膜症は、通常の外来で網膜を見ることは難しいので、必ず1年に1回は眼科を受診するようにしてください。また、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では、眼の突出が起こることがあります。眼球突出や、まぶた(眼瞼)のはれ、眼の結膜の充血、2重に見える(複視)、眼の痛みなどの症状を伴うことがあります。甲状腺眼症またはバセドウ病眼症と言われます。眼の後ろの脂肪や筋肉のはれが起こることにより起こります。治療は、炎症を抑える点滴や眼の保湿の点眼、甲状腺機能のコントロールになります。久留米大学病院などの専門病院への受診が必要になります。
眼の異常

胸の痛み

胸痛は、緊急な疾患が隠れていることがあります。肺の疾患では、胸痛に呼吸困難を伴い、肺に穴があく自然気胸があります。胸部レントゲン写真にて診断がつくことが多いです。肺に、トロッカーというチューブを留置する必要があります。肺炎で咳をしすぎて、気管支の痛みや肋骨の骨折で胸痛をきたすこともあります。血管の病気では、足の血栓が肺の動脈に詰まる肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)も呼吸困難と胸痛をきたします。胸部の造影CT検査や心電図にて診断がつきます。心臓の疾患では、心臓の筋肉に酸素や栄養を提供している冠動脈の異常(動脈硬化や攣縮)に伴う狭心症、完全に冠動脈が閉塞すると心筋梗塞になりますが、前胸部の痛みを伴います。狭心症では5分程度で治まり、心筋梗塞では30分以上持続します。こちらは、心電図や採血などで診断は可能ですが、血管拡張薬や酸素投与、心臓カテーテル検査など集中治療を必要とします。また、痛みが胸から背中などに移動する大動脈解離があります。こちらは、造影CT検査が必要になりますので、一刻一秒を争いますので、激烈な痛みで疑ったら、救急病院へ転送になります。その他では、肋骨に沿って痛みが出る肋間神経痛や神経の走行に沿って、水疱瘡のような皮疹のできる帯状疱疹などもあります。
胸の痛み

便秘症

便秘は、3日以上便が出ていない状態や毎日便が出ていても残便感がある状態と定義されます。原因は、食物繊維の不足や水分の摂取不足から骨盤底筋の協調運動障害、過敏性腸炎、薬剤性、腸の異常(大腸癌など)により起こります。糖尿病の患者さんでは、神経障害がある方は、お腹の自律神経の調節がうまくいかず、便秘傾向になります。腸内細菌の異常もあると言われております。治療は、食物繊維の摂取、水分の摂取、適度な運動を行い、薬物治療としてはお腹の腸の蠕動運動を活発にする薬やビオフェルミンなどの整腸剤、どうしても出ない場合は座薬や浣腸などを使用します。また、糖尿病の患者さんは、悪性腫瘍が死因の1位と言われていて、肝臓癌、膵臓癌、大腸癌が統計的に多いとされています。大腸癌では、血便や便秘、腹痛、腸閉塞などをきたします。年に1回は健診で、便に血が混じっていないか、便潜血検査を受けましょう。糖尿病で便秘の方は、大腸の腫瘍が隠れているかもしれないので、大腸の検査(検便、腹部のレントゲン、大腸カメラ)をお勧めします。最後に、甲状腺の病気でも、甲状腺機能低下症は便秘をきたします。甲状腺機能が低下することにより、腸の蠕動運動が低下するためです。こちらは、甲状腺ホルモン剤の内服で甲状腺の機能を正常化することにより便通は正常化します。
便秘症

脈の異常

脈は、手掌を上に向け、示す指と中指の延長線上の手首の所に指をあてると、拍動を感じることができます。橈骨動脈の拍動です。脈拍は、1分間に60回~100回は正常と言われております。脈拍は、100回を超えると頻脈と言われ、胸がどきどきして動悸がしやすいです。また、60回を下回ると徐脈と言い、めまいや息切れ、疲労感などの症状が出ます。心臓のリズムや不整脈が原因で脈の異常が起こることが多いですが、甲状腺の病気でも脈の不調をきたします。甲状腺機能が亢進症になると頻脈をきたしやすく、低下症になると徐脈をきたします。特に、亢進症の頻脈は、長い期間持続すると心房細動という、心房が震えるような不整脈に移行することがあります。心房内に血栓ができやすくなるために、脳塞栓症や色んな臓器に塞栓症を引き起こすことがあります。血液サラサラを処方することがあります。甲状腺機能低下症は、脈拍が60回以下となり、徐脈を引き起こす不整脈と間違われることがあります。甲状腺機能亢進症も低下症も、甲状腺機能を正常化すると脈拍は正常化することが多いです。脈の異常を発見したら、まず心電図の検査を行います。脈の異常を確認し、次に胸部レントゲンで心臓に負荷がかかっていないかどうか確認します。

体温の低下

発熱をきたす疾患は多数ありますが、体温の低下をきたす疾患もあります。甲状腺ホルモンの低下できたすことがあります。甲状腺機能低下症の原因は、先天性(クレチン症)、ヨウ素の過剰摂取(昆布など)、不整脈の薬(アミオダロン)、頭部の異常(下垂体や視床下部の腫瘍)、原発性甲状腺機能低下症(橋本病)、甲状腺機能亢進症の治療中、出産中の大量出血後の頭部の異常(汎下垂体機能低下症、Sheehan症候群)があります。問診、投薬の内容、既往歴の確認、採血で甲状腺機能を確認することにより診断は可能です。

手足のしびれ

しびれは、神経の異常で起こる事が多いです。神経は、中枢神経(脳)→脊髄(首~腰)→末梢神経(手足)と繋がっていて、どの部分に異常が起きてもしびれは起こります。脳梗塞や脳卒中で脳にダメージが起きると、右半身や左半身といった、半身の手足の動きが悪くなったりします。脊髄では、骨の変形や椎間板の脱出により神経が圧迫を受けると、首ならば首の痛みや手のしびれがでたり、腰ならば腰痛と足のしびれがでたりします。末梢神経では、糖尿病で異常をきたすことが多いです。糖尿病になって、10年程度経過すると、手足のしびれや疼痛が出ることがあります。糖尿病神経障害と言われますが、手袋&靴下型の神経障害で、手先、足先から症状が出て、身体の中心に向かって進みます。反射(脚気やアキレス腱)や振動を感じる検査で診断は可能です。合併症が進行しないように、HbA1cを7%以下にすることが大事ですが、ビタミンB12や糖の代謝を改善する薬などが処方されます。
手足のしびれ

いびき

睡眠中は全身の筋肉が緩みます。睡眠中に、重力により舌が下に落ち込むと気道がより狭くなります。空気の通り道である上気道が狭くなると、いびきをかくことがあります。いびきの原因の大半は肥満です。肥満では首の脂肪が多くなり、脂肪の重さが重力により気道を圧迫します。また耳鼻咽喉科領域では、舌が大きい、顎が小さい、咽頭扁桃肥大、鼻炎、鼻中隔の湾曲があります。症状は、起床時の頭痛や昼間の眠気、注意力の低下、作業効率の低下があります。交通事故や労働災害の原因になることもあります。検査は、携帯型の装置による簡易検査から入院して行う睡眠ポリグラフ検査があります。当院では、携帯型装置をご自宅で装着し、そのまま睡眠をとり、翌日当院に装置を持ってきていただき解析を行います。呼吸が浅いことや睡眠が1時間当たり何回止まっているかで重症度を判断します。無呼吸指数(AHI)と言います。診断基準は、1時間あたりに無呼吸と低呼吸を合わせた回数が5回以上であり、眠気などの症状があると診断します。重症度は、AHI5~15を軽症、15~30を重症、30以上を重症としています。簡易検査で重症と診断された場合は、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)が標準的治療としています。狭くなっている気道を広げます。また、肥満者では減量で軽減する事もあります。アルコールは睡眠の質が悪くなるので控える事をおすすめします。昼間の眠気や朝の頭痛がある場合は、まずは簡易検査をおすすめします。最近注目されているのは生活習慣病との関連で、高血圧、狭心症、心筋梗塞、糖尿病などの合併症を起こしやすいと言われています。
いびき

尿酸値が高い

食品やアルコール中にプリン体というのが含まれてます。プリン体が体内で、尿酸にかわります。プリン体の多い食事はビール、鶏肉(特にレバー)、豚肉(特にレバー)、牛肉(特にレバー)、エビ、イカ、タコ、干物の摂取があります。摂取が過剰になると尿酸値が上がります。また、ご飯、パン、卵、牛乳、豆腐、魚ソーセージ、ちくわ、かまぼこはあまり尿酸値が上がりません。血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。尿酸の結晶は、顕微鏡で見ると針のように尖ってます。関節で炎症を起こすと、痛風になって、腫れて痛みが出ます。また、腎臓では尿管結石の原因となります。尿酸は、尿で排出されますので、水分をよくとりましょう。痛風の発作が出ているときは、鎮痛薬で痛みを抑えますが、発作が出ていないときは尿酸が高くならないように食事に注意し、それでも高い場合は薬物治療を行います。足をぶつけた時に発作が起きやすくなりますので、注意しましょう。
痛風

筋力低下

筋力低下は、最近サルコペニアと言われます。加齢や病気などにより、筋肉量が減少することで、握力や下肢の筋力、体幹筋など全身に筋力低下が起こります。足の筋力が低下すると転倒の原因になり、転倒すると骨折の原因になります。太ももの大腿骨の骨折や背骨の圧迫骨折は寝たきりの原因になることがあります。筋力低下に肥満を合併すると、脂質異常症になる危険性が高く、動脈硬化により狭心症や心筋梗塞などの心血管疾患になる可能性が高くなります。ふくらはぎを人差し指と親指で輪っかを作り、隙間ができると筋力低下の可能性が高いです。また、握力が男性26kg未満、女性18kg未満、歩行速度が1mを0.8秒以上かかることで診断が可能です。当院では、インボディという体組成計があり、手や体幹部、下肢のどこに筋肉や脂肪が多いか少ないか判断できる機器があります。治療は、ロイシンというアミノ酸を多く含む食事(鶏肉、牛肉、豚肉、刺身、卵、牛乳、豆腐)を摂取しながら、無理しない程度に筋力トレーニングを行います。何歳からでも筋肉量は少しずつふえます。運動をする方は、しない方よりも長生きするという研究結果があり、ぜひ運動をしましょう。

不眠症

不眠症には、4つのタイプがあります。なかなか眠れない入眠障害、途中で起きる中途覚醒、朝早く目が覚める早朝覚醒、あんまり眠った感じがしない熟眠障害があります。睡眠時無呼吸症候群があると、中途覚醒や熟眠障害で昼間も眠いなどの症状があります。睡眠時間は、年齢を重ねるごとに少なくなる傾向にありますが、睡眠時間は平均7時間が多いようですが個人差があります。原因は、ストレスによる緊張状態や仕事で夜勤があったりする生活リズムの乱れ、騒音があるなど環境の変化、カフェインや薬によるものがあります。また、喘息で咳が止まらなかったり、副鼻腔炎や風邪で鼻が詰まっていたり、夜間の尿の回数が多い、足がむずむずして眠れない(レストレスレッグス症候群)などで身体の病気で眠れない事やこころの病気で不眠症になります。当院は内科なので、主に身体の病気で眠れない方や睡眠時無呼吸症候群の方の身体の不調を治療して、ゆっくり眠っていただけるようにします。その日あったことやストレスな事を寝る前に手帳に記載するとストレス発散となり、ゆっくり眠れることがあります。また、就寝・起床時間を一定にしたり、太陽の光を浴びたり、適度の運動をしたり、寝る前に入浴してリラックスすると睡眠の質が向上します。お酒は、睡眠を浅くし、舌根沈下で睡眠時無呼吸を起こしやすくしますので、過度な飲酒は控えましょう。

めまい

めまいは、季節の変わり目や梅雨の時期、過労の時などに起こります。脳から起こる中枢性のめまいと脳からではない末梢性のめまいに分けられます。中枢性のめまいは、脳の後ろにある小脳の脳梗塞や出血の場合にふらふらするとの訴えで受診されることがあります。指鼻試験を行います。患者さんの鼻と私の指を患者さんの人差し指で追ってもらいます。指が振るえると小脳の異常の可能性があります。何かをしようとするときに指が振るえることを企図振戦といいますが、小脳の異常で起こります。また、ほとんどが末梢からくるめまいです。吐き気や嘔吐を伴います。耳鳴りや耳の詰まった感じを伴うこともあります。頻度が多い末梢性のめまいは、内耳の耳石という石が移動して、頭の向きを変えると起こる良性発作性頭位めまい症です。また、内耳の蝸牛という所がむくむと、有名なメニエール病です。ストレスや睡眠不足で誘発されると言われています。めまいは、原因検索が重要です。治療は、点滴や飲み薬でめまいを落ち着かせることはできます。
めまい

こむら返り

こむら返りは、有痛性筋けいれんとも言われます。手や足の筋肉やふくらはぎが急につって痛みが走ります。寝ているときや運動中、運動後でも起こります。運動時は、若い方でもしばしば起こります。その他の原因として、熱中症などの脱水症や電解質異常、糖尿病に伴う神経障害、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症、血管の異常に伴う下肢の静脈瘤、閉塞性動脈硬化症があります。治療としては、脱水症や電解質異常の場合は、水分補給や塩分の補給を行います。糖尿病では、血糖コントロールが治療となり、HbA1cを落ち着かせましょう。甲状腺機能亢進症は、筋肉量が減る事により、階段の上り下りや普段の生活でも足がつりやすくなります。甲状腺機能低下症は、筋肉が壊れやすくなるために足がつりやすくなります。甲状腺機能を安定させましょう。下肢の静脈瘤は、表面の静脈の弁の異常で起こります。下肢の血管が膨らみ、瘤のようになります。足が重たくなったり、つりやすくなります。血管外科の先生に相談しましょう。閉塞性動脈硬化症は、年齢、喫煙、高血圧症、高脂血症、肥満症、2型糖尿病など血管年齢が進みやすくなる疾患で起こりやすいです。足が冷たく感じるようになります。血管を若返らせるために、喫煙をしている人は禁煙します。また、それぞれの疾患を治療しましょう。
こむら返り

生活習慣病について

血圧が高い

血圧は、上(収縮期血圧)120未満かつ、下(拡張期血圧)80未満が正常と言われています。血圧が上がる原因として、塩分、肥満、喫煙、過度の飲酒、加齢、遺伝があります。一過性に上がる原因としては、寒さや環境の変化、ストレス、緊張(白衣性高血圧症)などがあります。血圧が高いのは、高血圧ともいわれますが、サイレントキラーともいわれ、知らない間に血管年齢が高くなり、動脈硬化の原因になります。あまりピンとこないと思いますが、血管年齢が高くなり、血管が狭くなると、脳梗塞の前兆や胸が痛くなる狭心症が起こりやすくなり、血管が詰まると脳梗塞や心筋梗塞といった大病につながることがあります。特に日本人では、血圧が140/90mmHgを超えると、脳出血が多くなるといった研究結果があります。危険因子がある場合は、一つ一つ少なくしていきましょう。
血管年齢は、血圧脈波を測定する機械で検査可能です。心電図変化も出やすくなるので、心電図と併せてお勧めします。血圧は、自宅で測定するのと、クリニックで測定するのとでは大きく違います。当院では、自宅で測定した血圧が電子カルテに反映されるシステムを導入してます。血圧測定器の貸し出しも行っております。血圧でお悩みの方は、ご相談ください。
血圧が高い

脂質が多い

血液検査で、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が多い、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が少ない、中性脂肪(トリグリセリド)が多いなど脂質異常として、健康診断で指摘されることあると思います。脂質は細胞の膜やホルモンを作る材料として必要不可欠です。悪玉コレステロールが身体のスミズミに脂質を配り、多すぎる脂質を善玉コレステロールが回収します。脂質が多すぎると、血液内に脂質が溜まり、血液がドロドロになり、流れが悪くなります。症状はありませんが、血圧と同様に放置すると脳梗塞や心筋梗塞の原因になることがあります。悪玉コレステロールは主に、牛肉や豚肉の油、バター、生クリーム、卵黄、イカ、うなぎ、レバー(鶏、牛)、たらこなどに含まれております。摂取しすぎると血液中の悪玉コレステロールが上昇します。また、肥満や喫煙は善玉コレステロールが下がります。青魚の摂取や適度な運動で善玉コレステロールは上昇します。悪玉コレステロールが高くて、善玉コレステロールが低いとより早く動脈硬化が進みます。中性脂肪は、エネルギー源として使用されますが、多すぎると脂質として、身体に蓄えられます。中性脂肪は、炭水化物の食べすぎか運動不足で上昇します。バランスの良い食事を心がけましょう。こちらは採血でわかります。どの脂質が上昇しているかで、食事のバランスを考えましょう。美味しく、楽しく食べましょう。

体重が多い

BMI(Body Mass Index)というのを身長と体重から計算します。BMI=体重/身長(m)の2乗で求められます。BMIが、25を超えると肥満と定義しております。筋肉質な人もBMIが高めに出ますが、ここではお腹が出ている内臓脂肪型の肥満を指してます。内臓脂肪型肥満は、糖尿病や高血圧症、脂質異常症になりやすいと言われております。また、足腰に負担がかかることにより、膝や股関節の変形をきたすことがあります。内臓脂肪が多い単純性肥満では、適切なカロリーの食事(脂質を取りすぎない、蛋白質の多い食事)、野菜を最初に食べるvegetable first、適度な運動、体重をこまめに測定する(グラフ化体重日記)などの行動療法を行います。まれに、甲状腺の病気や副腎の病気で体重が増える2次性肥満の可能性もあります。2次性肥満は、各疾患を治療すると改善することが多いです。
体内の脂肪や筋肉量を測定する、INBODYという医療機器もあります。筋肉バランスを見ながら運動すると、すぐに体形は変わりませんが、少しずつ変わる変化を実感できます。
体重が多い

血糖値が高い

血糖値は、食前が100mg/dl、食後が140mg/dl程度が正常です、血糖値が、160~170mg/dl程度になると、尿より糖がでてきます。これが、糖尿病と言われる所以です。汲み取り式のトイレが多かった時代は、汲み取りをする業者さんに糖尿病の人がいるよと指摘され、受診をされる方もいました。糖尿病の患者さんの尿は、特有な臭気(アセトン臭)がするようです。血糖値が高いと糖尿病とすぐに考える方がいますが、糖尿病はすぐになるわけではありません。正常の血糖値→境界型の血糖値→糖尿病型の血糖値→糖尿病の血糖値と順を経てなります。境界型の血糖値は、食前が110~125mg/dl、食後が141~199mg/dlまでです。糖尿病型は、食前の血糖値が126mg/dl以上か食後の血糖値が200mg/dl以上のいずれかの場合です。もちろんHbA1cは、6.5%以下です。ここになぜこだわるかと言いますと、正常の血糖値→境界型の血糖値→糖尿病型の血糖値までは完治しますが、一旦糖尿病を発症すると完治しないところがあるからです。どこのタイプかは、砂糖水を飲んで、飲んだ前後で採血を行う75gOGTTという検査でよくわかります。採血で、砂糖水を飲む前、2時間後の血糖値で分かります。検査に時間がかかりますが、その日に結果が出ます。

いびきをかく、睡眠中に呼吸が止まる

眠っているときに、呼吸が止まると、眠っていても、脳は起きている状態ですので、様々な合併症が起こります。症状は日中の眠気や起床時の頭痛、集中力の低下、血圧の上昇などで、交通事故の原因になったりします。高血圧症や脳卒中、心筋梗塞などが3~4倍高くなります。空気の通り道である上気道が狭くなると起こります。主に肥満は、睡眠時無呼吸と関連があります。他に、扁桃肥大、舌が大きい、顎が小さい、鼻炎も原因になります。簡易検査が可能です。無呼吸低呼吸指数(AHI)というもので判断します。5~15は軽症、15~30は中等症、30以上は重症です。治療は、肥満があれば、減量で症状は軽くなります。アルコールは、睡眠が浅くなるので、控えめに。AHIが20以上で日中の眠気を認める場合は、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)と言って、鼻につけて、喉に空気を送る機械があります。治療がうまくいくと、次の日の目覚めは爽快のようです。携帯型の簡易で検査できる機器を導入しております。指に装着して、自宅で一晩寝るだけで検査完了です。結果は、翌日にわかります。

プラセンタ治療

更年期障害に対して、安心して使用できる薬事承認を受けたプラセンタ(メルスモン)治療を開始します。プラセンタとは、ヒトの胎盤由来の成分を抽出した医薬品になります。当院では、保険適応で治療を行っております。

更年期障害とは?

更年期障害は、卵巣から分泌されるエストラジオール(女性ホルモン)の低下により起こります。エストラジオールの低下は、血管年齢の上昇や骨密度の低下を起こしやすくなり、加えて頭痛やのぼせ、めまい、イライラしやすい、動悸、肩こりなどが起こりやすくなります。更年期障害の診断は、採血でエストラジオールの低下、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)の上昇を確認します。
更年期障害

当院での治療について

更年期障害の治療は、1.プラセンタの注射、2.漢方薬、3.ホルモン補充療法があります。当院では、プラセンタの注射と漢方薬による治療を行います。プラセンタの薬効は、1.組織呼吸促進作用、2.創傷治癒促進作用、3.抗疲労作用、4.硝子体及び球結膜下出血の吸収促進作用があります。プラセンタは、インフルエンザと同様に皮下注射で治療を行います。週に2~3回程度注射します。

注射が禁忌の方

痛み止めのベンジルアルコールという成分が含まれているため、アルコールが全く飲めない方やアルコール消毒で赤くなる方は使用できません。また、本剤または他の薬物に対し過敏症の既往歴のある方。
プラセンタの副作用は、蛋白アミノ酸製剤であり、ショックを起こすことがあります。そのほか、注射部位の疼痛、発赤、過敏症(悪寒、悪心、発熱、発赤、発疹など)があります。

有効率

本剤1回1管を1週間に3回、2週間連続して合計6回皮下投与したところ、有効率は77.4%でした。

健康なヒト胎盤を原料としています

メルスモンは、感染のない健康なヒト胎盤を原料とし、多種アミノ酸を含有しています。酸で加水分解し、最終滅菌(121℃ 30分間)するなど、感染症に対する安全対策を講じていますが、理論的に未知のウイルス等の危険を完全に排除することは困難です。なお、これまで、細菌やウイルス等による感染の報告はありません。特定生物由来のため、患者さんへの説明、記録の保全が必要です。
しかし、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病等の伝播を完全には否定できません。このことから、日赤を通じた献血が出来なくなります。昭和49年の発売開始以来、ウイルス感染やクロイツフェルト・ヤコブ病などの感染症の報告はありません。